フリーランス

フリーランスエンジニアが法人成りする際のメリット・デメリット

個人事業主として順調に売り上げが上がってくると法人化したほうが良い場合があります。私は、個人事業主として独立後の個人事業主を3年経過した後に法人化しました。

法人成りとは?

法人成りとは、フリーランスとして事業を行っている者が、フリーランス時の資産や負債を引き継いで会社を設立することです。

要するに、今までの仕事内容や取引先はそのままで、個人事業主から株式会社に引き継いで社長になることです。

法人成りのメリット

法人成りすることで得られるメリットを紹介します。

所得税、住民税が安くなる

法人成りすると、役員報酬を会社からもらうことになります。役員報酬に対して給与所得控除が適用されるので、フリーランス時代よりも所得税や住民税の納税負担が軽減されます。

消費税が2年間免除にできる

消費税の基準期間は2期前なので、法人成りした1期目と2期目には、基準期間が存在しないため、2年間は免除されます。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

資本金が1,000万円未満であること

1期目の半期の課税売上高が1,000万円以下または、給与等の支払額が1,000万円以下(2期目の免除条件)

厚生年金に加入できる

フリーランスは、国民年金にしか加入できないため、将来を見越した貯蓄を自ら行う必要があります。

自分で色々と考えて、投資等を行うのが好きな方はフリーランスでも全然大丈夫ですが、面倒と思われる方や後回しにしてしまう方は、なるべく早く法人成りして厚生年金に加入したほうが良いと思います。私もこのパターンです。

よく社会保険料が高いという声を聞きますが、社会保険料+厚生年金保険料の額で高いと思われる方が多いですが、将来のための給与天引きの貯蓄と考えると、私はそれほど高くないと思っています。

退職金をもらうことができる

フリーランスは、退職金を事業資金の中から支払うことができません。

そのため、退職金相当を自ら用意する必要があります。

法人成りすることで、自分自身に退職金として支払うことが可能となります。

役員報酬を高額にするよりも、なるべく会社に内部留保し、引退するときに退職金として受け取る方が税制的にも有利になります。

法人成りのデメリット

法人成りには、メリットだけではなく、少なからずデメリットもあります。

決算が自分一人ではできない

フリーランスは、自分一人で確定申告することができますが、法人の決算には専門知識が必要なので、自力でやるには限界があるでしょう。

私は、決算だけを税理士事務所に依頼しているのですが、出来上がった決算書を見て、びっくりしました。個人事業主の時の決算書とは比べ物にならない量の書類が必要で、税理士事務所にお願いしていて良かったと思いました。

決算だけは、税理士さんに依頼することをお勧めします。そのための費用が掛かります。

設立費用がかかる

会社を設立するための費用が掛かります。株式会社であれば、25万円程度の費用が必要です。

自分でやることもできますが、その時間を別のことに使った方が良いと思うので、司法書士さんに依頼することをお勧めします。

私が依頼した司法書士さんは、必要事項を記載するシートに商号、事業目的など記入し、メールでやり取りしただけで、定款を作成してくれました。その後、1度だけ事務所に伺って確認や押印して終わりでした。こんなに簡単にできるの?ってほど、簡単に株式会社が作れました。

法人成りのタイミング

売上が600~800万円程度あれば法人化したほうが良いという説もありますが、消費税が課税されるタイミングで法人化するのが一番恩恵を受けられると思います。

なぜなら、法人設立後2年間は、消費税を免除されるため、個人事業主として1,000万円を超える売り上げが2期続いた後に法人化することで、通算4年間も消費税を免除されることになります。