会社経営

エンジニア社長のための役員報酬を決める際のポイント

法人成りしたら自分の給与(役員報酬)を決めなければなりません。非常に悩みますよね。私もかなり悩みました。

どうやって役員報酬を決めたのか。実体験をもとに紹介したいと思います。

役員報酬とは?

端的に言えば、社長が受け取る給与のことです。

役員報酬を経費として計上するには、以下の次のルールを守る必要があります。

定期同額給与

役員に毎月支払われる給与のことで、1年間同じ額を支払う必要があります。

事前確定届出給与

役員にも従業員と同様にボーナスを支給することはできますが、役員に支払ったボーナスは、経費計上することは原則できません。

役員ボーナスを経費計上するには、「事前確定届出給与に関する届出」を税務署に行う必要があります。この届出には、支給日と金額を明記する必要があります。

業績連動給与

利益に応じてボーナスを支給する仕組みです。

同族企業は利用できないので、フリーランスエンジニアが法人成りした場合には関係ないですね。

いつまでに決めるの?

役員報酬は、会社設立日から3か月以内に決定する必要があります。

設立日が1月1日なら、3月31日までに決めなければなりません。その場合は、3月31日に臨時株主総会を開催し、4月から役員報酬を支給することになります。

3か月無給で働くことになるし、3か月分の役員報酬が経費計上できないので、設立したらすぐに役員報酬を決定したほうが良いでしょう。

役員報酬を決める際のポイント

今期の売上予定が決まっていれば簡単に決められるのですが、そう上手くはいきませんよね。

ただ、フリーランスエンジニアから法人成りした場合は、今までの経験上で年間の売上がある程度予測できると思います。

社会保険料負担がある

役員報酬を決める際に重要となるのが、社会保険料の会社負担があるということです。個人事業主は、国民保険、国民年金で自己負担のみですが、社会保険は、個人と会社で折半して払います。

その分、経費が増えるので注意が必要です。

役員報酬を500万円に設定した場合、社会保険料の会社負担として、70万円ほど経費が増えます。大まかに見積もると役員報酬の15%程度となります。

経費が増えることを考慮する必要があります。

社会保険料の報酬月額の境界値を考慮する

社会保険料は、等級ごとに納付額が決定されます。等級には、月額報酬の範囲が決められているので、その上限ぎりぎりを役員報酬として設定すれば、社会保険料を抑えることができます。

例えば、役員報酬を500,000円とした場合と、514,999円とした場合は、どちらも同じ30等級となり、納める社会保険料は同額となります。

まとめ

役員報酬を決めるのはかなり悩ましいですが、自分の会社なので、自分で決めるしかありません。

役員報酬を低く抑えて、会社に内部留保して、引退時に退職金としてもらうのが、お勧めです。サラリーマンでは到底もらえない額の退職金を支給できるかもしれません。